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- 2014.08
【株式会社マインド】(福島県)では、訪問歯科を利用するようになり、利用者様、職員双方の通院の負担をなくすことができました。また、職員向けの勉強会でお口の健康の大切さに気づき、口腔ケアの重要性を再確認しました。
訪問歯科で利用者様も職員も負担が軽減
訪問歯科を利用することになったきっかけは、認知症の方がいるグループホームでの歯科の通院は大変ではないかと、日本訪問歯科協会からご連絡をいただいたことがきっかけでした。
歯医者さんに行かなくても同じ治療が受けられる驚き! グループホームには、認知症の方々や体が不自由な方がいらっしゃいますので、治療のために利用者様と歯医者さんに通うことにはいろいろと苦労していました。そこで、思い切って訪問歯科にお願いすることになりました。実際に利用してみると、歯医者さんに行かなければできないと思っていた治療が、持ってきていただいた器材で同じようにできることにとても驚きました。
利用者様に負担をかけずに治療を受けていただくことができますし、通院に関しての職員の負担もなくなり、訪問歯科で先生に来ていただくようになったことは非常にありがたく感じています。 勉強会で変わった口腔ケアへの職員の意識 また、協会からの提案で、職員を対象にした口腔ケアの勉強会を行いました。
これまで、食後にお口をゆすいだり、入れ歯を外して洗ったりなどの口腔ケアは行っていましたが、お声がけがうまく伝わらない利用者様もいて、まだまだ勉強不足だと感じていました。
口腔ケアも、うがいや歯みがきをしていれば大丈夫だろうと思っていたのですが、軽く考えていた歯周病の恐ろしさなどを勉強会で知り、まず職員の自分のお口に対する意識が大きく変わりました。
利用者様に対しても教えていただいたことを参考に、声がけのやり方などを意識するようになったことで、口腔ケアがスムーズに行えるようになってきました。
勉強会では基本的なことから教えていただき、これまで私たちにまったくなかった知識を身につけることができました。こうした情報は私たちだけでなく、ご家族の方にもぜひ知っていただきたいと思いました。
口腔ケアについて知ることは、自分たちのお口の健康にためにもとても役に立ちます。可能であれば、協会や先生にご協力いただいて、ご家族や地域の方々を対象にした勉強会を開催できたらいいと考えています。
お口を開けてくれない人の口腔ケア 1口の粘膜に少し傷がついただけで、食べることや話すことに支障を来すことがあるように、人は本能的に口を閉じることで、刺激から守り、乾燥を防いでいます。
口腔ケアの介助を行うためには、お口を開けていただく必要がありますが、日頃から自分でも見る機会が少ない口の中を他人に見られることに対して、恥ずかしいと感じたり抵抗感を覚えたりすることはめずらしいことではありません。
●理由を考える
初めに、なぜお口を開けてくれないのか、その理由を考えてみましょう。ひと言で「お口を開けてくれない」と言っても、「口が開けられない」「口を開けたくない」「どうしたらいいのかわからず戸惑っている」などさまざまな理由が考えられます。理由を理解した上で、それに見合った対処を行うことが大切です。
●無理強いはしない
口を開けることを拒んでいるときは無理強いはせず、最初は顔合わせから始めます。握手や肩、顔など少しずつ体に触れながら、口に近づいていきます。
●信頼関係をつくる
口の中は極めてプライベートな部分ですので、ケアする側とされる側の信頼関係が大切です。口を開くことは心を開くことに通じます。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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