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- 2014.07
【デイサービスセンター上安慈光園】(広島県)では、毎年1回 のペースで『お口の健康相談会』をこれまでに3回実施しまし た。訪問歯科診療につながった利用者様も多く、継続すること の大切さを実感しています。
『お口の健康相談会』は継続することが大切
デイサービスは、施設によってさまざまな個性があります。当センターでは、物をつくったり指先を動かしたり、さまざまな趣味活動を主体に行っています。そのためにはいろいろな準備をしなければならず、口腔ケアの大切さは聞いていたものの、どうしても後回しになりがちでした。
デイサービスは楽しく過ごしていただく場ですが、ワハハと大笑いしたときに入れ歯がずれてしまったり、入れ歯が動くので手で口を押さえながらおしゃべりする方などもいて、気になってはいました。
そんなときに、日本訪問歯科協会と出会い、『お口の健康相談会』を定期的に行うようになりました。協会のきめ細かいサポートで、ほとんど「おまかせ状態」でも『相談会』が開催できるので、とても助かっています。
職員向け勉強会で口腔ケアの大切さを再確認 『お口の健康相談会』の前に、歯科医師による職員向けの勉強会も行いました。磨きにくいところのブラッシング方法などをていねいに教えていただき、口腔ケアの大切さに改めて気づかされました。昼食後に職場で歯みがきをする人が増え、まず職員自身の意識が変わりました。その後、利用者様向けの『相談会』を行いました。これまでに3回行い、2つの歯科医院の先生が来てくださいました。最初に来てくださった先生は当たりがやわらかく、口を開けたくない方には焦らずに待ってくれたり、よく話す人のお話もじっくり聞いてくださったり、相手のペースに合わせて接してくださいました。
また、今来ていただいている先生は、『相談会』の報告書がとてもていねいです。写真付きでまとめてくださり、お口の中の様子が一目瞭然なので、ご本人にもご家族の方にも伝わりやすく、口腔ケアを考え直すきっかけになってくれるのではないかと思います。 『相談会』の先生だから訪問歯科診療も安心 『相談会』の後、訪問歯科診療につながった方も何人かいらっしゃいます。利用者様の中には一人暮らしの方もいて、歯医者さんが家に来てくれるのはいいけど、いきなりはちょっと……という警戒もあるようです。でも、みんなと一緒のデイサービスの『相談会』で一度顔合わせをした先生だから、安心してお願いできるようで、こうしてつながっていくのはとてもよいことだと感じています。
当センターでは毎年11月に『相談会』を行っていますが、継続することが大切だと思っています。口腔ケアをがんばっている利用者様にとっては、年1回歯医者さんにほめられる機会になり、モチベーションを保つきっかけにもなります。利用者様の入れ替わりもありますので、今後もぜひ続けていきたいと思います。
高齢者の熱中症対策消防庁の発表によると、熱中症で救急搬送される人を年齢別に見てみると、およそ半数が65歳以上の高齢者です。
●高齢者がかかりやすい理由
・体全体の感覚機能が低下しているため、暑さに対して鈍くなる。
・汗をかきにくくなり、体温調節機能が低下して、体に熱がこもりやすくなる。
・体内の水分量が少ない上、のどの渇きを感じにくいため、水分不足になる。
熱中症は、高温で湿度の高い環境に長時間いることで起こり、室内や夜間でも多く発生しています。
熱中症にかかると、めまい、頭痛、発熱、息苦しさ、吐き気、脱力感などの症状が現れ、重症になれば死に至ることもあります。
熱中症で脱水症状が起こると、皮膚や粘膜が乾燥します。唇や舌も乾燥し、舌にひび割れが起こります。
熱中症予防のためには、温度と室温調整をきちんと行い、こまめに水分補給をすることが大切です。お口や舌を動かして唾液をしっかり出すことで、口や舌を潤し、乾燥も予防しましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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