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- 2014.03
利用者様の「くらし」「こころ」「からだ」を見つめた自立支援 を提供する【医療法人杏園会 デイサービスセンターろくば ん】(愛知県名古屋市)。『お口の健康相談会』をきっかけに、口 腔ケアの重要性や訪問歯科診療の啓発活動に力を入れていき たいと考えています。
訪問歯科診療についてもっと情報提供を
私たち「デイサービスセンターろくばん」は、介護や補助が必要な利用者様が、ひとつでもご自身で行えるようになること、生活やお仕事を楽しめるようになることを目標として、機能訓練や集団リハビリテーションなどのサービスを提供しています。先日は、『お口の健康相談会』を初めて実施しました。
専門家にお口をみていただく安心感 今まで、歯医者さんを招いて行う相談会はしたことがなかったのですが、利用者様からは、歯医者さんが施設に直接来てくれ、お口の中をみてもらえるのはとてもうれしいという声が多く聞かれました。施設内でも口腔ケアを行っていますが、専門家である歯医者さんに見ていただけると安心ですし、利用者一人ひとりのお口の状況を把握することができます。その後のケアや治療にもつなげていくことができますので、歯医者さんに来ていただくのはとても有効なことだと実感しました。
『相談会』は利用者様からもスタッフからも好評でした。 訪問歯科診療の利用者様から喜びの声 利用者様の中には、歯医者さんに通院していた方もわりと多く、すでに主治医が決まっている方もいらっしゃるので、『お口の健康相談会』の後、どのくらいの方が訪問歯科診療の利用につながっているのか、実数までは把握しきれていません。
けれども、訪問歯科を希望され、実際に利用し始めた方にお話を聞くと、先生はやさしいし、対応もよくて電話をすればすぐに来てくれると、とても喜んでいらっしゃいました。うまくケアも継続できているようです。
一方で、まだ訪問歯科を知らない人も多く、「自宅でどんなことができるんだろう? 何をされるんだろうか?」と警戒されてしまう方も少なからずいるようです。
訪問歯科がどういうものか、まだ周知されていない部分もありますので、もっと広めて利用につなげていけるような情報提供が必要だと感じています。
また、施設での口腔ケアはどうしても専門的ではありませんし、歯科医師や歯科衛生士さんとの協力は大切です。口腔ケアの重要性や訪問歯科診療の存在を伝える啓発活動に、私たちも力を入れていきたいので、今後も日本訪問歯科協会と協力していけたらいいなと思っています。
飲み薬と味覚障害食べ物の味がわからなくなる味覚障害は高齢者に多い症状です。舌の表面で味を感知する味蕾や唾液の分泌量が、加齢とともに減少することが大きな原因ですが、ほかに日常的に服用している薬の副作用による「薬剤性味覚障害」も多いといわれています。
味覚障害が報告されているのは、高血圧治療の降圧薬(ラシックス、ディオバン、レニベース、アムロジン、ブロプレスなど)、糖尿病薬(グルコバイ、ベイスン、アクトス、メトグルコなど)、抗うつ薬(トリプタノール、トフラニール、ルボックス、トレドミンなど)、抗菌薬(クラリス、ミノマイシン、ジスロマック、サワシリンなど)、解熱・鎮痛剤(ボルタレン、モービック、セレコックス、クリノリル、ハイペンなど)などです。
これらの薬剤の神経反応を鈍くする作用や唾液の分泌や亜鉛の吸収を抑える作用が味覚に影響を及ぼします。
薬剤性味覚障害は、薬を服用してから2?6週間くらいで症状が現れ、なるべく早期で治療したほうが改善しやすいといわれています。
味覚障害によって食欲が落ちれば、体力の低下にもつながります。味が感じにくい、金属味や渋みなど嫌な味がする、口が渇くなどの症状があるときには、早めに医師や薬剤師に相談しましょう。
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