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- 2013.06
デイケアサービスなどを展開する【かあさんのいえ。】(岩手県久慈市)では、『お口の健康相談会』や訪問歯科診療を通して、高齢者の気持ちに添った訪問サービスの重要性を改めて実感したそうです。
歯医者さんが来てくれることの喜びとありがたさを再認識
【かあさんのいえ。】で『お口の健康相談会』を行ったのは、日本訪問歯科協会のスタッフの人が、飛び込みでやって来られたのがきっかけです。
正直、最初はお話を聞いてもぴんと来なくて「ふーん」という感じで、あまり真剣には考えていませんでした。
けれども、協会の人が帰った後に、よく考えたら「歯医者さんが来てくれる」というのは、とてもいいことじゃないかと思ったんです。
歯医者さんに行きたくても、階段を1段上がるだけでも大変で、3-4段もあれば支えが必要なことだってあります。
協会からの提案をうちのスタッフに相談したところ、利用者様の中にも歯医者に行きたいけど行けない、ご家族の方も連れて行きたいけどなかなか時間が取れないという方がほとんどだということがわかりました。
だったら、歯医者さんに来てもらってお口の中をみてもらうだけでも有意義だと思い、日本訪問歯科協会に改めて連絡をしました。 訪問歯科は利用者様からもご家族からも大好評 『お口の健康相談会』をやって、本当によかったと思います。
相談会の後、6名のうち4名の方が訪問歯科診療を希望されました。
みんな大なり小なり困っていて、がまんしていたようです。利用者様ご本人はもちろん、ご家族の方からもとても好評です。
『お口の健康相談会』は、系列のサービス付き高齢者向け住宅でもぜひ実施したいと考えています。
今、うちは訪問介護ヘルパーステーションもやっていて、「訪問」は事業の一つの形態だと捉えていました。
しかし、今回、訪問歯科で喜んでいる利用者様やご家族の様子をみて、おじいちゃんおばあちゃんの気持ちに立って考えると、家に来てくれるサービスというのはとてもよいものだなと、改めて気づかされました。
『お口の健康相談会』や訪問歯科診療も、比較的新しい仕組みだと思います。私たちも、久慈市でやっている先生がいることは知りませんでしたし、担当してくれた先生もとても感じがよく、ていねいに対応してくれました。
訪問歯科のようなみんなに喜ばれる取り組みが、どんどん広がっていくとよいと思います。
女性と歯の健康女性は男性に比べると、歯のトラブルにかかりやすいと言われています。それは、年代によって変化する女性ホルモンの影響があるからです。
●思春期
女性ホルモンの分泌が始まりますが、歯周病菌の中には女性ホルモンを好んで繁殖するものもいるため、菌の増殖が活発になります。また、女性ホルモンが増加すると、毛細血管に影響を及ぼして炎症を起こしやすくなります。
月経前後はホルモンの影響を受けやすくなるため、歯肉がむずむずしたり腫れやすくなったりします。
●妊娠・出産
妊娠中は胎児に栄養を送るためにカルシウム不足となり、歯が弱くなりがちです。
また、妊娠中は免疫力も弱まるので、歯周病などの感染症にかかりやすくなります。
さらに、つわりや出産後の忙しさで歯磨きもおそろかになりがちなことも、歯のトラブルの原因に。
●更年期・閉経後
女性ホルモンが減ることで骨密度が低下し、歯を支えるあごの骨も弱くなります。
他にも歯茎がやせてきたり、潤いがなくなって唾液が減るため、口が渇きやすくなったりします。
こうしたリスクがあることも理解して、口腔ケアをしっかり行いましょう。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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