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- 2013.01
【みえ医療福祉生協】(三重県)で行った職員向け勉強会には、およそまた、利用者様の『お口の健康相談会』でも、その後、さまざまな効果が見られました。
お口の健康相談から訪問歯科診療へ。利用者様の効果を実感
口腔ケアの勉強会には、デイサービス、通所リハビリのスタッフ、訪問看護師、訪問ヘルパー、ケアマネージャーなど、さまざまな職種の人たちがたくさん参加しました。
利用者様の口腔ケアを行ううえでやりにくいと感じていた点やお口の状態に応じた対応の仕方など、実践的な方法を先生からていねいに教えていただき、とても勉強になりました。
これまでは手探りでやっていたこと、不安に感じていたことが解決したので、自信と説得力をもって取り組むことができるようになりました。
相談会をきっかけに治療を始めた方もいます。たとえばAさんは入院中に入れ歯をはずしていたら合わなくなってしまい、入れ歯なしで過ごしていました。私たちもそのお顔を見慣れていたのですが、訪問歯科診療で入れ歯を直してはめてくるようになったら、まるで別人! おせんべいもバリバリ食べられるようになったと喜んでいらっしゃいました。
また、Bさんはまだお若いのに口臭が強く、あまり歯磨きなどをしていないようでしたが、相談会後に歯医者さんに通い始めました。むし歯がたくさんあったそうで、それを治療することで苦痛が軽減されたようです。 訪問歯科診療は高齢者の強い味方 勉強会と相談会に来てくれた歯科の先生は気さくで話しやすく、説明もわかりやすいし、利用者様の治療の経過なども具体的にこまめに連絡してくださるので、信頼しています。
高齢者は歯医者に行きたくても、自由に行くことができません。車椅子は受け入れていないと歯医者さんに断られた方もいて、高齢者の歯の治療は難しいものだと思っていました。
訪問歯科診療も聞いたことはありましたが、どんなものなのか半信半疑でした。そんなときに、日本訪問歯科協会と知り合い、勉強会とお口の健康相談会を行い、治療にまでつながりました。訪問歯科診療のしくみも理解できましたし、治療を受けた利用者様の状態の向上を目の当たりにしたので、歯の治療で困っている方がいたら、「訪問歯科があるよ」と自信をもって説明できます。
ノロウイルスと口腔ケアノロウイスによる感染性胃腸炎は、年間を通じて発生しますが、特に秋から冬にかけて大流行します。感染力が強く、医療施設や高齢者施設などでの集団感染も多発します。
主な症状は下痢や嘔吐などの胃腸炎ですが、肺炎を併発すると死に至ることがあり、特にノロウイルスによる肺炎の多くは、嘔吐物などが気管から肺に入って引き起こされる誤嚥性肺炎であることが報告されています。
高齢者は加齢によって嚥下機能が低下しているために、ただでさえ誤嚥しやすい状態にあります。口腔ケアを行ってお口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎を併発するリスクを減らすためにも重要です。
誤嚥性肺炎予防と口腔ケア・歯磨きやうがいなどで口腔内の細菌の数を減少させて、できるだけ清潔に保つ。
・食事のときは上半身を起こして食べさせたり、食事や食べ物にとろみをつけて飲み込みや すくしたりなど、誤嚥を防ぐ工夫をする。
発行/SOSデンティスト 一般社団法人 日本訪問歯科協会
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